2016年09月26日

【タッチが違うだけで絵も変わる】

今回は、私が今通っている(私が習いに行っている)デッサンのサロンの話です。

数年前から通っているデッサンのサロンでは、アンティークドール何体かがモチーフとして常備されており、生徒たちは毎回どれかを選んだり、1年近くも同じドールのデッサンを描き続けたりしています。

同じモチーフしかないと退屈なのでは?と思いそうですが、これは、一度描いたくらいでモチーフは理解できないという、師匠の方針だと思います。

さて、そのサロンでここしばらく、クマのぬいぐるみをボールペンで描き続けています。

私自身の生徒さんで、ボールペンでの継続レッスンを受講中の方がいらっしゃるので、私もボールペンをもう少し研究してみようという意図もあります。

これまでに、同じぬいぐるみで3枚のボールペン画を描いてみたのですが、毎回少しずつタッチを変えて、納得行くまで描き続けてみようと思って続けています。

最初に描いたのがこれ。
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毛並みを全部描くと真っ黒になりそうなので、あえて明るい部分を広くして質感を真っ白に飛ばしました。
これはこれで面白いのですが、実は毛の質感をもっと工夫したくて、次に描いたのがこれ。
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毛のタッチに少しパリエーションを出してみました。ただこれは、クマの片目を隠してしまったので微妙な構図なのと、テーブルの影が少し単調に思えて、次に描いたのがこれです。
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これは全体的に毛の質感(奥の方は大きな流れの線を中心に)を描き込み、水平線だけだったテーブルの影を、8の字を長く横向きに連ねるようなタッチで少し柔らかい表情にしてみました。

描線主体の場合、線のタッチのバリエーションが増えると表現の幅も広がります。

自分の描きたいイメージ、好きな雰囲気をデッサンに持たせるために、どんなタッチを使ったら良いか、常に手を動かしてタッチのストックを作っておくと良いと思います。
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2016年09月24日

【9月の人物クロッキー会、終了しました】

9月の指導なし人物クロッキー会、無事終了いたしました。
今回はご参加人数は少なかったのですが、初めてのご参加の方もいらっしゃいました。

今日は、久しぶりに手のパーツクロッキー(手だけのポーズを間近で見ながら描いていただく)をしてみようと思って準備しました。

9月の指導なし、着衣の人物クロッキー会、終了しました。今回は手のパーツクロッキーを久々に行いました。


前半は全身ポーズを10分×2回で2セット。
後半は手のパーツクロッキーを10分×2回で2セット。

今回は「手」を中心にいろいろ描いていただけたらいいなということで、

全身ポーズも、いつもよりは「手に変化をもたせる」ことを意識して、スマホを操作しているつもり、とか、クリップボードに何かを記入中、というような状況設定のあるポーズを入れたりしました。

パーツクロッキーは、ハンカチの端をつまむ、ハンカチを丸めてギュッとつかむ、ノック式ボールペンの芯をカチッと出したところ、という状況設定のあるポーズと、両手を影絵のキツネの形にして組み合わせてみる、という形が複雑であるという観点でのポーズをしてみました。

ところで、前回から、勉強タイムの内容を、「お互いに描いたものを見せ合う」というものから「主催者側から何かクロッキーの参考になりそうなものを紹介する」というものに変えてみました。

クロッキーには形式的な決まりがあるというわけではなく、描き手それぞれが、いろいろな方向性や楽しみを追求できるものだということをもっと共有できないかな、という私自身の意図もあってそのようにしたのですが、

今回は、手のパーツクロッキーをする、ということで、前半後半の間にもうけたお茶休憩のときに、手の描き方についてそれなりに紙面を割いている書籍を何冊か私物から選び、紹介してみました。

人物クロッキー会は指導なしですが勉強タイム的なものはあります。今日は私の私物書籍を紹介しました。


「手の描き方」といっても、本によって重きを置いている観点が違っていて面白いのです。手の構造的な形の捉え方であったり、絵画的な描写の工夫であったり。美術解剖学の書籍も独特です。

−−−

10月のクロッキー会は、私の都合で開催なしの予定ですが、11月以降の予定が決まりしだい、またお知らせいたします。

ご興味のある方はHPからお問い合わせください。

http://umineko-factory.com/
posted by アトリエうみねこ at 22:23| 指導なし着衣クロッキー会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月21日

【たまには色を使ってみることもあります】

静物デッサンの最初の12テーマのベーシックレッスンは、どの生徒さんも同じ内容とモチーフで行います。その後は個別の継続レッスンになり、マンツーマンの利点を生かして生徒さんごとにレッスン内容を組み立てます。

ある生徒さんは、もともと塗り絵が好きで、何度か作品を見せていただいていました。

その時に、色の選び方が繊細だな、という印象を受けていたので、いつかレッスンでも色を使ったものをやってみたいなと、私自身が考えていたのでした。

それで、たまには、と色鉛筆を使って塗り絵。
洋書の塗り絵本なのですが、細密ながらも骨太な線画が魅力的な絵。
この塗り絵を、デッサン的な観点で完成させていただこうと思いました。

デッサン的な観点で、というと少し抽象的ですが。。。
「明暗や陰影など立体感を考えながら色を選ぶ/色を塗る」ということをテーマに設定しました。

色を扱うということで、色相/明度/彩度をはじめとする色彩理論の導入的な内容をレジュメにして、簡単に色彩の知識を整理した後で、塗り絵に取り掛かっていただきました。

手順としては、
(1)下絵にトレーシングペーパーをかけ、鉛筆でおおまかに明暗の計画を立てる
(2)そのトレーシングペーパーを時折、塗り絵にかぶせてみて、明暗計画を確認しながら塗り進める

という感じです。

塗り絵は線画そのものが平面的なのと、配色の楽しさの方にやはり集中してしまうので、立体感を意識し続けるのは難しかったのですが、

色鉛筆どうしの混色で、同じ色相でも陰影の色と光が当たっている色を塗り分けたり、稜線の部分を強調してみたり、ハイライトの部分を白く残したりと、生徒さんなりに積極的にチャレンジしてくださいました。

ブログには、私の塗ったものを載せます。
レッスン2回のうち、合計2時間半ほどの制作時間なので、まだもう少し時間をかけたいな、というところでタイムアップでした。

塗り絵が好きな生徒さん。レッスンで一緒に塗り絵をしました。立体感や陰影を意識した色選びや着彩をテーマに、色彩理論も少しレクチャーしました。


日頃のレッスンでは、複数の色を使うような画材でのデッサンはお勧めしていません。
複数の色を使うことだけに慣れると、画面構成の全てを色に頼るようになるリスクがあります。

鉛筆一色で描くからこそ、明暗のバランスやタッチによる質感の描き分けなどの鍛錬に集中できるので、レッスンでは、基本的には鉛筆の使用に限定しています。
(もちろん、ご自宅でのご自分の作品は自由な画材で描いてください、とお話しています)

この生徒さんは、また次回から鉛筆デッサンに戻りますが、時々気分転換するのもいいかなと思ったので、いずれまた、ご一緒に塗り絵をしてみたいです。
posted by アトリエうみねこ at 20:15| レッスンの様子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする