その時の質問としてよくあるのが、
「どういうモチーフがデッサン向きでしょうか」
「◯◯はデッサンに向いているモチーフでしょうか」
というものです。
私の答えはいつも「描きたいものをモチーフに選んでください、デッサン向きのモチーフというものはありません」という趣旨になります。
そうすると、たいていの場合は「困ったな」という様子でしばらく考えてしまわれるのですが、モチーフが、デッサンに向いている/向いていないという区別は、基本的には存在しないと私は考えています。
私が講師の立場でレッスン用のモチーフを選ぶ時は、その生徒さんにチャレンジしていただきたい技術の練習に適切だろう、という観点で選んだりアドバイスしたりすることは多いです。
ですが、生徒さんご自身がモチーフを選ぶ時は、「これが描きたい」と思うものを選んでいただくのが一番です。
ベーシックレッスンではモチーフが決まってしまっていますが、継続レッスンの生徒さんは、描きたいものがある時は、ぜひ「次回はこれを描いてみたいと思うのですが」とご相談いただければと思うのです。
もちろん、その生徒さんには少し難しいかなというものはあるかもしれませんし、モチーフによっては私の方から重点課題としてテーマ設定をすることもあるかもしれません。。。
それでも、描きたい、という気持ちを持てることこそ大切です。
絵を描くには、「これを描きたい」という欲求や衝動が何よりも大きな原動力になります。描きたいものであれば、たとえ難しくても「どうしても描ききりたい」という気持ちで取り組めるので、完成したときには、上達のステップを一段昇っているかもしれません。
デッサンに向いているか、向いていないか。
簡単に描けるか、描くには難しいか。
そういう観点は、ぜひ忘れてしまってください。
レッスンの中での必要な誘導は私がいたします。私はそのために講師として生徒さんの目の前にいます。