2016年07月06日

【描こうという意欲が見えたとき】

レッスン中は、生徒さんと同じモチーフを私も描きます。
たいていは向かい合って座るので、生徒さんから見たのとは反対側からのデッサンです。

その、レッスン中に描いた自分のデッサンを、私自身は「デモピース」と呼んでいます。

実際に、生徒さんへのデモンストレーションの意味合いも込めて描いているためです。
ある生徒さんの今回のレッスンのデモピースです。
レッスン中にお話したことの図解なども色々描き込んであります。

レッスン中の私のデモピースから。この生徒さん、初めてこのモチーフで背景への取り組みにも意欲を見せました。また一段、階段を上ったのかも。


さて今回のモチーフは、細かな形状の起伏や質感に惑わされず、モチーフをひとつのかたまりとして観察する練習の一環だったのですが、りんごを2個用意して片方に白い布を巻き、実際のりんごと、表面の模様を隠しても形はりんご、という組み合わせで描いていただきました。

こちらは、レッスンに先駆けて、準備のために私が試し描きしたデッサンです。
実際にこの向きから生徒さんに描いていただきました。

レッスンの前には、新しいモチーフになる度、サンプルデッサンを描きます。このモチーフは明日、一人の生徒さんに使用します。


レッスン中、この生徒さんはこれまでずっとモチーフ1個だったので、今回のような組みモチーフは描き進め方に戸惑いがあったようなのですが、最後に、これまで敬遠してきた「背景」を描いてみるということに初めて意欲を見せてくれました。

それを指摘してみると、「向こう側があると、広がる感じがしていいかなと思ったので」との答えでした。

もっと、さらに、描いてみよう、という意欲は大切な一歩だと思います。
ともかく描いてみないことには、それが良いのか良くないのか、自分で実感もできません。

この生徒さんは、また一段、階段を上ったのかもしれません。

(画像はアトリエうみねこInstagram https://www.instagram.com/atelier_umineko/ より)
posted by アトリエうみねこ at 10:12| レッスンの様子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする