Aさんはもともと絵画制作のご経験もあるのですが、自分らしい絵って何だろう、というあたりに課題があり、以前のレッスンの時に「どういう絵が好きか」というテーマで少しお話をしていました。
そこからの流れで、しばらくの間、好きだと感じる絵を図書館やインターネットであれこれ探していらしたそうです。
その中でいくつか「これはいいな」と思うものが見つかったようで、今日のレッスンで図版のコピーを持参してくださいました。
Aさんが探した絵のポイントはどこにあったかというと「線の表情」だったようです。「言葉で言うより絵を見てもらったほうがわかるような気がして」と嬉しそうに色々お話してくださいました。
人物画で「流れるような動き」が感じられる線で描かれているもの。
静止しているものでも動いているような「揺らぎ」が感じられるもの。
シンプルに必要な線だけで描かれているもの。
そういう、スピード感があり、しかも余白の美しい絵が自分も描けたらいいなと感じたそうです。
好きな絵のタイプはひとそれぞれですし、何気なく見かけた絵に一目惚れする、なんていうこともあります。その一目惚れポイントは、例えば、絵のなかで取り扱われているテーマ、という場合もありますが、「こういう線は素敵だな」という純粋に視覚的な観点もあるのだと思います。
Aさんがどういう検索ワードで絵を探していったのか詳しくは聞きませんでしたが、まさにAさんのツボにはまる作風の画家が見つかったようです。
Aさんがいつか「描きたい」と思う絵にたどり着けるのを、これからレッスンで陰ながらサポートできたらいいなと思います。