今回、最終的に3名の方にご参加いただきました。
こちらは市報での募集記事。
あくろす様にはご縁あって企画にお声がけいただきまして、とても嬉しかったです。
しかも、アトリエうみねこは普段からマンツーマンという規模でのじっくりレッスンが特徴なので、企画のご担当者の方とご相談の上、少人数グループの教室という形での募集にしてくださいました。
さて、今回のテーマは「大切な人を描いてみよう」でした。
内容としては、写真を参考にして顔を中心とした人物画のデッサン講座なのですが、今回は技術的な部分というのはポイントをかなり絞りました。それでもお配りしたテキストは12ページにもなってしまったのですが。
今回大切にしたかったのは、「その人が自分にとってどのように大切なのか」という想いの部分です。技術的な側面もさることなれど、「大切な人」への想いが自然に現れてくる絵になるように、いかに誘導していけるのかという点が私の講師としての課題でした。
ご参加くださった皆様は、それぞれ絵を描くことはお好きな方々で、人の顔を描くという点では経験がない。。。ということのようでした。
それでも「描きたい」というお気持ちが強く、描き始めの合図をするとすぐに手が動き始めるという感じで、私の説明に熱心にメモを取られたり、テキストのページを何度も見返したりしながら一生懸命描き進めていらっしゃいました。
1日目はデッサンのポイントの説明と、下絵作成、画用紙へのトレースまで。
2日目はトレース済みの画用紙での制作に集中していただき、適時説明を挟むという進行でした。
そして、2日目に2時間半ほどかけて完成したのがこちらの作品です。
皆様それぞれに「ここが似ていない、そこがうまくいかなかった」という点はあったようなのですが、今回一番大切にしたかった「想い」の部分が素直に現れたのではないかなと思います。
実は1日目の内容の中に「構想シート」を書いていただくという時間を作りました。ご自分が描こうと思っている「大切な方」への想いやその方のお人柄、どのような絵にしていきたいかといったことを、ご自分の言葉で色々と書き出して整理していただくための質問シートです。
構想シートは1日目の終わりに私が一度お預かりして全て目をとおし、2日目、制作時のアドバイスに活かしていくための重要な参考資料になりました。
ご参加の皆様の「描きたい」というお気持ちが強かったのは、きっとそれぞれの「大切な人」への想いの強さのためだったのかもしれません。
一人の人間にとって、だれかを大切だと思う気持ちは、本当に色々で奥深いものだと思います。
お一人ずつ、とても深い想いがあり、最後の講評タイムでもそれぞれお話を伺ってジーンとしたのですが、普段は皆様の内に秘めた部分かと思いますので、この記事の中での言及は控えます。
絵にその人を描くことで、その人と絵の中で改めて出会うことができる。
ご参加の皆様の心の入り口を、少しだけ覗かせていただいたような心地で、講座を終了しました。
私にとって、新しい経験が増えました。
そして、デッサン講師としてもっと成長していきたいと、改めて思いました。
今回の講座に関わってくださった全ての皆様に、ありがとうございます。