2017年09月24日

【生徒さんとのヒアリング 〜 陰影より光に焦点を当ててみる】

マンツーマンのレッスンでは、完全に一対一という利点を活かして、継続レッスンの生徒さんに対しては、レッスン中にヒアリングを行うことがあります。

ヒアリングのタイミングというのは、生徒さんご自身に何か迷いや悩みが見えるような時とか、私が生徒さんのスキルに応じて決めているレッスン内容そのものが本当にマッチしているのか?というずれを感じた時とか、なので、定期的に行っているわけではありません。

ヒアリングはこんな感じに、生徒さんの発言を順に板書しながら行います。
(具体的な内容についてはぼかしをかけましたので、板書の雰囲気だけご覧ください)

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ある生徒さんは、ずっと私の方で課題を提示してレッスンを続けてきたのですが、私がその生徒さんに要求していることが生徒さん自身にあまり実感できないということで、途中で大きくレッスンの方針を変えました。

しばらく、モチーフデッサンとヒアリングを繰り返しながら、お互いの考えに一致を見たのが「色の階調幅を広げる練習に集中してみよう」ということでした。

私の最初のレッスンカリキュラム「ベーシックレッスン」では、モチーフ本体の明暗の捉え方は、光源と面との関係を性をざっくりと覚えていただくために、「明るい」「中間色」「暗い」の大きく3階調で観察していただくようになっています。

デッサンの練習を進めるにつれて、その3階調から階調数を少しずつ増えし、微妙な色の変化を観察/描写できるようにしていくのですが、その微妙な色の変化のうち、明るいほうの階調がどうも苦手なのではということになりました。

何度か白いモチーフのデッサンをしてみた後、光が当たることによる明るさをもっと直接的に意識してみようと、キアロスクーロを試してみることにしました。(以下、デッサンは私の制作サンプルです)

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最初は、グレー系の中間色の紙に、黒と白のダーマトグラフを使っていましたが、黒色を使うと「どうしても「陰影を描かなければ」と全体が真っ黒になってしまう」ということで、現在は紙の色を黒にして、白のダーマトグラフだけを使って描いていただいています。

今まで描いたのは、オーソドックスに卵とか、立方体、円すいなど白い物体。

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それから、試しに黒い物体としてナスを描いてもみました。黒いモチーフは、また描いてみたいとのことで、次回レッスンでは別の黒いモチーフを用意する予定です。

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この生徒さんは、現在は黒い紙に白で描くというパターンがなんだか心にマッチするようで、しばらくこれを続けたいとのこと。その後どうするのかについては具体的に決めていません。

ただ、紙=白で画材=黒、から紙=黒で画材=白、と全く逆方向の思考回路を使ううちに、今まで以上にモチーフを注意深く観察するようになり、色の微妙な変化に気付くようになってきたようです。

また丹念にデッサンとヒアリングを繰り返しながら、この生徒さんの今後のデッサンの変化を丁寧に見守っていきたいと思います。

「デッサンは観察が大切」と言葉で言うのは簡単です。
しかし、「観察するとはどういうことか」を、本人が明確に実感するまでの道のりは、ひとそれぞれです。

私は、ただ「観察しろ、よく見ろ」というだけではなく、手を替え品を替え、生徒さんなりにきっかけを掴むための、コーチとかカウンセラーとか伴走者のような役割でいられたらいいなと日頃から考えています。

私も生徒さんも、個性の違う人間同士なので、時にはお互いに噛み合わなかったり停滞する時期もあるかもしれませんが、生徒さんが諦めたくない限り私も諦めないという覚悟でレッスンを続けていきたいです。
posted by アトリエうみねこ at 00:33| レッスンの様子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする