新年のご挨拶がすっかり遅くなりました。
本年もよろしくお願いいたします。
年明けの生徒さんのレッスンは続々と始まっております。今年、この生徒さんはどんな感じにレッスンを展開していこうか。。。また二人三脚の気持ちで続けていきたいと思います。
さて現在、巨匠の人物素描を中心に、鉛筆で模写をしている生徒さん。
人物の肌の質感や微妙な丸みを描写するのに奮闘されています。前回まではルーベンスの素描をお手本にしてのレッスンでした。 (図版は私が生徒さんとご一緒に描いていたものです)
模写は、ただそっくりに写そうとするだけではなく、どんな手順でこれを描いていたのだろうという技法的な面や、筆圧やタッチの速度など、色々な点について想像しながら描いていくところに意味があります。
人物画の場合は、肉付きや表情の特徴など、非常に細やかな変化をしているので、ちょっとした曲線の調子や色の細やかな階調の変化などに気を配る必要もあります。
色の階調、つまり白(紙の色)〜黒(描き得る限りの濃い色)の間の色の変化は、特に中間色のグレーをどれだけ豊富な色で描けるかが重要になってきます。
色を重ねていくのは楽ですが、加減するのは割と難しい。ちょっとした筆圧のコントロールと、色の変化を細やかに観察する目が肝心です。
この生徒さんは、レッスンの前半で、白〜黒のグラデーションをできるだけきれいに作る練習をし、筆圧の違いを特に認識されたようです。
最初は色味が乏しい感じの進捗でしたが、前回のレッスンで一気に色味がアップしました。
目の表情がかなり難しかったようですが、2時間のレッスンをやり切ったという様子で、今回で仕上げにしましょう、ということになりました。
この生徒さんは、次回はダヴィンチの素描模写に挑戦です。
模写を通じて、先ずはできるだけ使える色の階調のバリエーションを増やすことを目標に頑張ってください。