2017年05月17日

【その人に合った考え方の筋道で】

アトリエうみねこは、現在、マンツーマン中心のレッスンです。
デッサン教室を始めようと思った当初、教室=グループレッスン?という漠然としたイメージしかなかったので、現在、マンツーマンという形に落ち着いているのは予想外でもありますが、自然な流れだったのかなとも思います。

時々、それぞれの生徒さんが課題として取り組んでいる事柄にピンポイントに応えられるように、教材を手作りすることがあります。
手作りといっても、ゼロから全部作るというのではなく、ちょっとしたことなのですが。。。

今回は、これ。

球体教材


基本立体のデッサンのレッスンで使っている球体模型に、細いマスキングテープを利用して、直径部分とハイライトに相当する部分に印を貼り付けただけのものです。

これは、球体のモチーフが苦手で、モチーフをいろいろ変えながら繰り返し「球体を描く」ことにチャレンジしている生徒さん向けに作りました。

球体のデッサンは、稜線や反射光の観察にも非常に気をつかいます。
しかし、レッスン用の部屋の照明の事情もあり、陰影の見え方がわかりづらい状況でレッスンを続けるしかなかったので、図解などを利用しての説明も、図解上では理解できてもモチーフの実物を見たときに実感が得られない。。。という状態のまま、もやもやと月日が経過していました。

球体模型に印を書くことで、あえて稜線の目安を視覚化してモチーフと並べてみたらどうだろう、というのは偶然の思いつき。
しかし、「目安がある」というのは、観察の観点を明確にし、観察ポイントに意識を集中させるのに効果があったようで、今回は今までに比べて少し描きやすかったようです。

この生徒さんは、「球体の陰影のパターンを記憶に定着させる」ことで、球体への苦手意識を少しずつ和らげていけるのではと思い、しばらくこの手作り教材とモチーフを並べながらデッサンをしてもらう予定です。

人間は、明確に知っていること、明確に観察できたことしか、実際に描くことができません。
デッサンする手は、モチーフを見ることによって得られた情報量に比例して動きます。
つまり、見えていないもの、気づいていないもの、頭で整理できなかったこと、は描きようがないのです。
デッサンは観察、と言われるのは、そういうことだと思います。

どうしたら得られる情報量を拡張できるのか、その方法は、描き手の数だけあるのではないでしょうか。
そのためには、生徒さんの様子を見ながらの試行錯誤もあります。
これからも、あれこれ小さな工夫を続けていきたいです。
posted by アトリエうみねこ at 00:28| レッスンの様子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月14日

【何度もタッチを重ねることで、色味や質感も上がってくる】

絵は描き進めるにしたがい徐々に色が乗ってきて、全体の色やタッチのバランスも常に変化し続けます。本来は、何度も全体のバランスを見直して、色を乗せたり取ったり、描写を強くしたり弱くしたり、さまざまなやりとりをしながら仕上げていく必要があります。

デッサンを描き慣れないうちは、どの程度やりとりをすればどうなるのか、という実感(経験)を経ていないので、あともう少し粘れば良さそうなのに、というラインで止まってしまう人が多いと思います。私もまだその道の上にいるような気がします。

ある生徒さんのレッスンで、立方体のレッスンのときにも使った「リボンのかかった箱」を、水玉模様の布に乗せた組みモチーフを用意しました。この生徒さんは、最近、モチーフ本体だけでなく下に敷いた布にも積極的に取り組む感じが出てきたので、布にバリエーションを持たせてみようと考えたのでした。

umineko_20161214_01.jpg

水玉模様は、柄が規則正しいことと、水玉のサイズや間隔が適切でないと見た目の印象も大きく変わるので、あちこち合わせながら描いていくうちに混乱してくることが多いです。

今回の生徒さんも柄の位置合わせでかなり苦労されていて、また濃い地色の白い水玉の描き進め方についても迷っていらしたようなので、一度布全体にタッチを入れてもらい、白い水玉は練り消しゴムで描きながら、水玉のキワが輪郭線にならないよう丁寧に周囲を描く手順をデモしました。

その後、水玉は描ききることができませんでしたが、乗せては取り、取っては乗せる、という手順を何度も繰り返していく中で、布の一部分ですが、タッチの層に深みが出て布の色味や質感が上がってきました。
生徒さんのデッサンを写真に残してきたので、一部をクローズアップしてみます。

umineko_20161214_02.jpg

この生徒さんは、あまり筆圧も強くないので全体的にタッチが柔らかく、色が思うように乗っていかないのを気にしていらっしゃいますが、今回のような「何度もやりとりを繰り返す」ことで、良い意味でのしつこさで色味と質感を上げられると、柔らかさを生かしたまま、また少しデッサンが変わるのではないかと思います。

時間がかかるのは悪いことではありません。どこまでしつこく取り組むか、その心の持って行きかたを自分でコントロールできるようになることの方が、大切だと思います。
posted by アトリエうみねこ at 12:57| レッスンの様子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月20日

【11月のクロッキー会終了しました。今回は「私服」がテーマ】

11月19日、不定期開催の着衣/指導なし人物クロッキー会を開催しました。
今回のご参加者は4名。
そのうち、ご新規の方が2名にお久しぶりの方1名と、いつもとは少し違う面々での開催でした。

今回のクロッキーのテーマは、私服。

ニットのセーターに、ショートパンツ、厚手の黒タイツ、という組み合わせで、最後の2ポーズはさらにストールを羽織りました。
靴は、前半後半で履き替えをし、前半は厚底パンプス、後半はブーツ。

クロッキー会のご参加者募集の際に、明確にテーマを告知するということはないのですが、ポーズは私自身がしているので、毎回ゆるくテーマ設定をしながらポーズを考えて準備しています。

今回の構成は、10分ポーズと5分ポーズ。同じ靴で、同じ時間×回数を描けるように、以下のような組み合わせで行いました。

20161119_01.jpg

今回は、ポーズそのものよりも、ポーズによってどのように衣服の見え方(シワのより方など)が変わるかとかを見てもらえたらいいなという意図もあり、立ちポーズ、座りポーズ、寝ポーズを混ぜながらも、ポーズそのものはわりとシンプルにしたつもりです。

参加者の方が、昨夜あたりから描いたクロッキーをSNSなどにアップしてくださっていて、
楽しく描いていただけたようでした。

今回は、途中のお茶休憩で、こちらの書籍をみなさんにご紹介しました。
3名の画家によるクロッキーの本なのですが、純粋な教本というよりは、三人三様のクロッキーの楽しみ方のようなものを垣間見ることができる内容です。ポーズ時間によって、例えば10分と1分ではどのように描写が違うのかなども、豊富な写真図版で見せてくれます。

20161119_02.jpg

アトリエうみねこのクロッキー会では、3分とか1分のショートクロッキーをしたことがないのですが、来年あたりは挑戦してみようかなと思います。

次回のクロッキー会は年明けを予定しています。
日時が決定しましたら、またこちらでも告知いたしますので、ご興味のある方は、当アトリエHPからお問い合わせください。
posted by アトリエうみねこ at 16:49| レッスンの様子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする