2016年08月18日

【好きな「線」から好みの絵を探す】

ある生徒さん(仮称:Aさん)は、ベーシックのカリキュラムを終えて継続レッスンに入って3ヶ月くらい。

Aさんはもともと絵画制作のご経験もあるのですが、自分らしい絵って何だろう、というあたりに課題があり、以前のレッスンの時に「どういう絵が好きか」というテーマで少しお話をしていました。

そこからの流れで、しばらくの間、好きだと感じる絵を図書館やインターネットであれこれ探していらしたそうです。

その中でいくつか「これはいいな」と思うものが見つかったようで、今日のレッスンで図版のコピーを持参してくださいました。

Aさんが探した絵のポイントはどこにあったかというと「線の表情」だったようです。「言葉で言うより絵を見てもらったほうがわかるような気がして」と嬉しそうに色々お話してくださいました。

人物画で「流れるような動き」が感じられる線で描かれているもの。
静止しているものでも動いているような「揺らぎ」が感じられるもの。
シンプルに必要な線だけで描かれているもの。
そういう、スピード感があり、しかも余白の美しい絵が自分も描けたらいいなと感じたそうです。

好きな絵のタイプはひとそれぞれですし、何気なく見かけた絵に一目惚れする、なんていうこともあります。その一目惚れポイントは、例えば、絵のなかで取り扱われているテーマ、という場合もありますが、「こういう線は素敵だな」という純粋に視覚的な観点もあるのだと思います。

Aさんがどういう検索ワードで絵を探していったのか詳しくは聞きませんでしたが、まさにAさんのツボにはまる作風の画家が見つかったようです。

Aさんがいつか「描きたい」と思う絵にたどり着けるのを、これからレッスンで陰ながらサポートできたらいいなと思います。


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2016年07月22日

【同じモチーフを何度描いても】

ベーシックレッスン用モチーフのデモデッサン。春からレッスンを始めた生徒さん用。
私自身で教材に選んだモチーフですが、何度描いても納得のいくデッサンになりません。。。
新しい生徒さんが増えましたら、このモチーフは再挑戦となります。

静物デッサンのレッスンを始めた生徒さんが最初に受講する「ベーシックレッスン」の中にある、円柱と円柱を応用したモチーフの回。

モチーフは現在、貯金箱に小さなドット柄の包装紙を巻いたものを用意しています。

春からいらっしゃっている生徒さんの円柱モチーフのレッスンで、私が生徒さんのお向かいで描いたデモデッサンです。生徒さんと一緒に描きますので、生徒さんはご自分が描いていらっしゃる途中で、私のデッサン進捗を覗き見することができます。

このモチーフはもちろん私自身が教材として選んだものなのですが、デモデッサンを何枚描いても実はまだ満足なものが描けていません。その時その時で一番良いものをと思って描いていますが、改めて描いてみると、新たな発見があったり、次回はこうしてみようという工夫があったりします。

円柱モチーフで他にもっと良さそうなモチーフが見つからない限り、この円柱貯金箱は今後も教材となります。

また新しい生徒さんがいらっしゃった時には、この貯金箱のデッサンに、再挑戦です。
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2016年07月06日

【描こうという意欲が見えたとき】

レッスン中は、生徒さんと同じモチーフを私も描きます。
たいていは向かい合って座るので、生徒さんから見たのとは反対側からのデッサンです。

その、レッスン中に描いた自分のデッサンを、私自身は「デモピース」と呼んでいます。

実際に、生徒さんへのデモンストレーションの意味合いも込めて描いているためです。
ある生徒さんの今回のレッスンのデモピースです。
レッスン中にお話したことの図解なども色々描き込んであります。

レッスン中の私のデモピースから。この生徒さん、初めてこのモチーフで背景への取り組みにも意欲を見せました。また一段、階段を上ったのかも。


さて今回のモチーフは、細かな形状の起伏や質感に惑わされず、モチーフをひとつのかたまりとして観察する練習の一環だったのですが、りんごを2個用意して片方に白い布を巻き、実際のりんごと、表面の模様を隠しても形はりんご、という組み合わせで描いていただきました。

こちらは、レッスンに先駆けて、準備のために私が試し描きしたデッサンです。
実際にこの向きから生徒さんに描いていただきました。

レッスンの前には、新しいモチーフになる度、サンプルデッサンを描きます。このモチーフは明日、一人の生徒さんに使用します。


レッスン中、この生徒さんはこれまでずっとモチーフ1個だったので、今回のような組みモチーフは描き進め方に戸惑いがあったようなのですが、最後に、これまで敬遠してきた「背景」を描いてみるということに初めて意欲を見せてくれました。

それを指摘してみると、「向こう側があると、広がる感じがしていいかなと思ったので」との答えでした。

もっと、さらに、描いてみよう、という意欲は大切な一歩だと思います。
ともかく描いてみないことには、それが良いのか良くないのか、自分で実感もできません。

この生徒さんは、また一段、階段を上ったのかもしれません。

(画像はアトリエうみねこInstagram https://www.instagram.com/atelier_umineko/ より)
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