今回は、私が今通っている(私が習いに行っている)デッサンのサロンの話です。
数年前から通っているデッサンのサロンでは、アンティークドール何体かがモチーフとして常備されており、生徒たちは毎回どれかを選んだり、1年近くも同じドールのデッサンを描き続けたりしています。
同じモチーフしかないと退屈なのでは?と思いそうですが、これは、一度描いたくらいでモチーフは理解できないという、師匠の方針だと思います。
さて、そのサロンでここしばらく、クマのぬいぐるみをボールペンで描き続けています。
私自身の生徒さんで、ボールペンでの継続レッスンを受講中の方がいらっしゃるので、私もボールペンをもう少し研究してみようという意図もあります。
これまでに、同じぬいぐるみで3枚のボールペン画を描いてみたのですが、毎回少しずつタッチを変えて、納得行くまで描き続けてみようと思って続けています。
最初に描いたのがこれ。
毛並みを全部描くと真っ黒になりそうなので、あえて明るい部分を広くして質感を真っ白に飛ばしました。
これはこれで面白いのですが、実は毛の質感をもっと工夫したくて、次に描いたのがこれ。
毛のタッチに少しパリエーションを出してみました。ただこれは、クマの片目を隠してしまったので微妙な構図なのと、テーブルの影が少し単調に思えて、次に描いたのがこれです。
これは全体的に毛の質感(奥の方は大きな流れの線を中心に)を描き込み、水平線だけだったテーブルの影を、8の字を長く横向きに連ねるようなタッチで少し柔らかい表情にしてみました。
描線主体の場合、線のタッチのバリエーションが増えると表現の幅も広がります。
自分の描きたいイメージ、好きな雰囲気をデッサンに持たせるために、どんなタッチを使ったら良いか、常に手を動かしてタッチのストックを作っておくと良いと思います。